小さな水流を利用する小水力発電が生み出した電力で電気自動車(EV)を動かす国内初の実証実験が4日、富山県黒部市の宇奈月温泉で始まった。
主催の「でんき宇奈月プロジェクト実行委員会」(大橋聡司代表)は「安定的な電力供給に成功し、実験後も恒久的に活用したい」と意気込んでいる。
実験は来年2月まで。小水力で充電したEV4台を観光客にレンタルし、電力の安定供給や車載電池の交換でトラブルが起きないか、実際の運用のなかで検証していく。
この日は、発電装置の起動式に続き、同装置で充電したカートリッジ式電池(重さ約80キロ・グラム)を2人乗りのEVに積み込み、温泉街の沿道約10キロ・メートルを走らせた。EVが音もなくスムーズに発車すると、集まった人々から「静かだなあ」などと驚きの声が上がった。
発電では、近くを流れる宇奈月谷川から取水した毎秒40リットルの水を9メートル弱の高さからパイプ経由で流し、1・2キロ・ワット時の電力を得る。1か月当たりでは、一般家庭の消費電力量の約1・2倍に相当する約720キロ・ワット時の供給が可能で、EV4台分の電力も十分に賄えるという。電池は8時間の充電で約25キロ・メートル走行できる。入れ替え可能なカートリッジ式を採用したことで予備の電池も積み込めるようになり、コンセント式EVでは難しかった長距離走行も可能になったという。
大橋聡司代表は「世界でも類をみない『山岳温泉エコリゾート』の実現に向けて1歩を踏み出した。実験で収集したデータをもとに、よりよいものに改善していきたい」とした。
予備のカートリッジがあるってことが、安心だ。
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